ふとしたtweetをきっかけに、海外向けにWebコンテンツを配信する際には現地のアクセシビリティに関する法律に気をつける必要があることを学んだ。
アクセシビリティを頑張っているところに、そのモチベーションを聞きたい
— ぴんくもひかん (@pinkumohikan) 2020年2月11日
ざっくりまとめ
- アメリカ等、国によってはアクセシビリティが権利として法的に認められている
- 先の法を根拠に年間2000件以上の訴訟が起きている
- 日本ではアクセシビリティは努力目標だけど、同じ感覚で海外展開すると危険
アクセシビリティとは
情報システムの利用しやすさを表す言葉。パソコンやインターネットが幅広く普及した現在、高齢者や障害者などハンディを持つ人にも健常者と同じように使える環境を整える必要がある。アクセシビリティはその対応度を計る尺度となるもの。具体的には「画像や音声などには代替表現として必ずテキストによる注釈をつける」「マウスの使用が困難な人向けにすべての操作をキーボードで行なえるようにする」ことなどが求められている。
ざっくり言うと、みんながみんな同じように画像を認識し、文字が読めるわけではないから、そういう境遇の人でもコンテンツを享受できるように配慮してね、みたいなやつ。マルチデバイス対応とか音声読み上げへの対応が代表例。
日本にも、Webコンテンツのアクセシビリティに関するJIS規格があるらしい。
国によってはアクセシビリティが権利として認められている
今回の学びの大部分は上記記事からのもの。特に学びが有ったところを下記に抜粋。
アメリカには、障害を持つ人がアメリカ社会に完全に参加できることを保証したADA(Americans with Disabilities Act 障害を持つアメリカ人法)という法律があります。このADAに基づいたWebアクセシビリティ提訴の件数が、2017年には814件だったのが2018年には2,285件となり281%も増加しています。
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弁護士の手配や証拠開示手続き、交渉などを含めると、訴訟1件あたりの費用の試算は356,775ドル(約4,000万円)にものぼるとのことです。
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アメリカでは、5人に1人(=6,400万人)がなんらかの障害を持っており、障害のある就労年齢の人々の可処分所得合計は約4,900億ドル。アフリカ系アメリカ人は5,010億ドル、ヒスパニック系アメリカ人は5,820億ドルとなっており、他の重要な市場セグメントに匹敵することことも紹介していました。
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アメリカの場合は法律で「やれ」と定められており、アクセシビリティ対策をしないという選択肢はそもそもないらしい。というよりむしろマーケットとしてそれなりに大きいのでアクセシビリティへの積極投資に経済的合理性があるらしい。
こと日本においてはアクセシビリティ対策は努力目標の位置づけだけど、海外では権利として認められているところもあるので海外展開する際に日本と同じ感覚でいると危ないことは覚えておきたい。